遠赤外分光エリプソメトリーを用いた誘電体材料の
フォノン解析

SrTiO3をはじめとする高誘電率材料は誘電率の大部分がイオン分極の大きさによって
決まっています。イオン分極は格子振動(フォノン)によって決まる分極であるため、
誘電特性を結晶科学的に理解するには、イオン分極が観測できる遠赤外~中赤外領域
であるテラヘルツ(THz)領域の複素誘電率を測定することが非常に重要です。
我々の研究室はTHz領域の複素誘電率を直接測定することができる装置、遠赤外分光
エリプソメータを開発しました。この装置を用いてフォノンと誘電特性の関係を明ら
かにし、その知見に基づく新規材料の設計を行っています。


遠赤外分光エリプソメトリー01
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ペロブスカイト型酸窒化物誘電体の作製と評価

 これまでの強誘電体材料の研究分野はペロブスカイト型酸化物(ABO3)が中心で,同酸化物のA・Bサイトのカチオンを変化させることで諸特性の制御が行なわれてきました。同系においてA–OおよびB–O間の結合状態は強誘電性や誘電特性のメカニズムと深く関わっているため、これらの結合状態をカチオン種により制御してきたと言い換えることもできます。一方、アニオンサイト(Oサイト)を置換して誘電特性を制御した研究例はあまり多くはありません。
 本研究では、量子常誘電体として知られるSrTiO3の酸素イオンの一部を窒素イオンに置換した系(SrTiO3−1.5xNx)に着目し、単結晶の作製および誘電特性の評価を行ないました。窒素置換による誘電特性の向上が見出され、ペロブスカイト型酸窒化物が高誘電率材料として有用である可能性を示しました。


酸窒化物誘電体
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チタン酸バリウム系セラミックスのサイズ効果

 チタン酸バリウム(BaTiO3)系セラミックスの誘電・圧電特性は、セラミックスを構成する粒子のサイズによって変化することが知られており、この現象は『サイズ効果』と呼ばれています。
 我々のグループでは、サイズ効果の機構解明と、サイズ効果に基づく次世代の材料設計を目指して研究を行なっています。


チタン酸バリウム系セラミックスのサイズ効果画像01 チタン酸バリウム系セラミックスのサイズ効果画像02
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BL構造を用いた新規高容量キャパシタの開発

電子機器の内部には、電子回路の平滑・安定化・ノイズ除去等を目的として、
無数のキャパシタが入っており、電子機器の更なる高機能化のために、
キャパシタの小型化・高容量化が求められ続けています。
当研究室では、結晶粒界を容量と見立てた粒界絶縁型(BL)キャパシタに着目 し、
主に電気的特性の解析を通じて、今までにない高容量を持ったキャパシタの 開発を
目指しています。


BL構造を用いた新規高容量キャパシタの開発
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顕微電気光学効果測定システムを用いた
新規電気光学結晶の測定

電気光学(EO)変調器は、電気信号を光信号に変換する変調器で、今日の光通信を支える重要なデバイスです。
 我々の研究グループでは、光変調器の高性能化を目指し、光変調器の主要材料である電気光学結晶の探索を行っています。
 従来のEO効果測定システムで測定をするには数mmの単結晶を作る必要があり、新規結晶の探索は困難でした。そこで、顕微EO効果測定システムを開発し、微小結晶やセラミックスでのEO効果測定を可能にし、効率的な材料探索を実現しました。


顕微電気光学効果測定システム
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高温用圧電センサ用新規単結晶材料の開発

地熱・火力発電所、化学プラントの安全管理・環境配慮および自動車、船舶のエンジン燃焼制御用として耐熱性の圧電センサが渇望されています。このセンサの実現には、高温で(1)高い化学安定性・(2)安定な圧電特性・(3)高い電気抵抗率を有し、(4)結晶化が容易な圧電結晶が必要です。しかし、これまで全ての条件を満たす結晶は見つかっておりませんでした。
我々の研究グループでは、高い電気抵抗率には酸素欠陥を生じ難い元素・結晶構造が有効であるとの材料開発指針を立て、最近、セメント鉱物であるゲーレナイトを見いだしました。本研究では、ゲーレナイトの高品質バルク結晶を育成し、高温電気物性を測定し、センサを構造設計・試作・評価することで、高温圧電センサへ展開できる基盤研究を行っています。


高温用圧電センサ用新規単結晶材料の開発
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小型粘弾性センサの開発

粘弾性測定装置は、食品を評価する上で重要な指標である粘弾性を正確に測定する
ことができ、今日の食品産業を支える重要な役割を担っています。
我々の研究グループでは、大型で高コストな現行の粘弾性測定装置とは一線を画す、
小型で低コストなハンディタイプの粘弾性センサーの開発を目指して、
最適な測定デバイス構造と解析方法を研究しております。


小型粘弾性センサの開発
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圧電セラミックスにおける非線形現象の解析

 インクジェットヘッドやハードディスクドライブの位置決め素子などに用いられている圧電セラミックスに大きな電界をかけると、歪と電界の関係が比例関係から外れる『非線形現象』が生じ、これが圧電素子の不安定動作の一因になることが知られています。
 私たちのグループでは、圧電素子の精密な制御に向けて、非線形現象のメカニズムと起源を解明することを目指しています。


圧電セラミックスにおける非線形現象の解析
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高精度超音波流量計の開発

 圧電体の応用例の一つに超音波流量計があります。 この流量計は、液体の流れによって超音波の伝播速度が変化することを利用して流量を測定する計測器です。
  その中で、クランプオン式超音波流量計は既存のパイプに外付けできる優れた流量計です。
 我々の研究グループでは、超音波センサーが受信する複雑な信号を理論的に解析することに成功し、これによって高精度流量測定を可能としました。


高精度超音波流量計の開発
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